class: center, middle, inverse, title-slide # 再現可能な日本語論文執筆入門 ## –jpaRmdの利用に関する発展的な話題– ### 国里愛彦 (専修大学) ### 小杉 考司(専修大学) ### 2020年9月6日 --- class: center, middle # jpaRmdの利用に関する発展的な話題 <img src="fig/08.png" width="250"> --- # 査読へのリプライと修正対照表の作成(1) <img src="fig/36.png" width="400" align="right"> - 投稿したら,査読者からのコメント対応も必要となる。 - リプライと修正対照表の作成もR Markdownで可能です。 - 「From Template」から,「Reply to Reviewer {jpaRmd}」を選択して,「OK」をクリック --- # 査読へのリプライと修正対照表の作成(2) - 査読者へのリプライを以下に書いていく。 <img src="fig/37.png" width="650"> --- # 査読へのリプライと修正対照表の作成(3) - 修正対照表は,以下のように,old_m()に旧原稿の内容,new_m()に修正原稿の内容を書いていく。 <img src="fig/38.png" width="800"> - 書けたらknitをクリックするとPDFが出力される。 --- - **リプライ** <img src="fig/39.png" width="550"> - **修正対照表** <img src="fig/40.png" width="550"> --- # 無慈悲なWordでの原稿提出要求 <img src="fig/41.png" width="300" align="right"> - R Markdownで出力される原稿が美しいので,自己満足に浸っていたら,採択後の原稿提出でWordが指定されることが・・・(他にもPDFはNGな共著者もいるかもしれない・・・) → R Markdownで使ったことを後悔・・・ --- # 心配ご無用!Pandocがある! knitrのpandoc()で,PDF作成時に出力されるtexファイルをWordに変換できる ```pandoc("paper.tex","docx")``` <img src="fig/34.png" width="800"> --- - フォーマットは美しくないが,wordで出力される。Word入稿,Wordの校閲機能好きな共著者への送付もできる。 <img src="fig/35.png" width="650"> --- # senshuRmd.med[(専修大学心理学科用テンプレート)] - R Markdownテンプレートの活用は,「心理学研究」に限定されない。卒業論文や修士論文で活用しては? - senshuRmd(https://github.com/ykunisato/senshuRmd )は,専修大学の心理学科の卒論で求められる形式のPDF出力するRMarkdownテンプレート用Rパッケージ - 国里ゼミでは,Rstudioサーバーにゼミ生のアカウントをつくって,ゼミ生はこのRmdを更新&Githubでバージョン管理しつつ卒論を執筆する(指導教員としては,卒業研究のみに指導を集中できるので,すごく楽になりました。ゼミ論集もそのまま出力にもっていける)。 --- # 方法の再現可能性の問題:データ共有の低さ - 生物医学論文の無作為抽出調査(2015-2017年):データの入手可能性を記載していたのは**18.3%**(Wallach et al., 2018) - 心理学論文の無作為抽出調査(2014-2017年):生データを共有していた論文が**2%**,解析コードを共有していた論文が**1%**であった(Hardwicke et al.,2021) → データやコードの共有はまだ十分ではない。 詳しくは[データ・解析コード・マテリアルをどのようにオープンにすればよいのか?(国里, 2021)](https://ykunisato.github.io/ccp-lab-slide/edupsych2021/slide.html)を参照 --- # jpaRmdのResearch Compendium データやマテリアル共有を意識して,Research Compendiumを導入するのが良い。set_rc_jpa("プロジェクト名")を実行すると,プロジェクト名のディレクトリー下に以下のディレクトリーが作られる。 - analysis: 分析用ファイルを置く場所 - data:データを置く場所 - function: 分析で使う汎用関数のファイルを置く場所 - materials: 研究で使ったマテリアルを置く場所 - paper: 論文原稿を置く場所 - README.md : 説明を書くファイル --- class: center, middle # Q&A # jpaRmdへの要望 --- # 引用文献 .small[ - Hardwicke, T. E., Mathur, M. B., MacDonald, K., Nilsonne, G., Banks, G. C., Kidwell, M. C., Hofelich Mohr, A., Clayton, E., Yoon, E. J., Henry Tessler, M., Lenne, R. L., Altman, S., Long, B., & Frank, M. C. (2018). Data availability, reusability, and analytic reproducibility: evaluating the impact of a mandatory open data policy at the journal Cognition. Royal Society Open Science, 5(8), 180448. - Wallach, J. D., Boyack, K. W., & Ioannidis, J. P. A. (2018). Reproducible research practices, transparency, and open access data in the biomedical literature, 2015-2017. PLoS Biology, 16(11), e2006930. ]