国里愛彦
| 特性 | 特徴的適応 | |
|---|---|---|
| 説明 | 目標追求の共通メカニズムにおける感度や作動強度の個人差 | 経験を通して形成される、状況に応じた目標・解釈・方略 |
| 例 | ビッグ・ファイブ特性の神経症傾向 | 社交場面での失敗経験から、「不安に見られてはいけない」という目標を設定し、かえって自己注目と苦痛が高まる。 |
特性が同じでも、学習した目標・解釈・方略(特徴的適応)が違えば行動は変わる (DeYoung 2015; DeYoung and Weisberg 2018)
| ビッグ・ファイブ | 主なサイバネティック機能 |
|---|---|
| 神経症傾向 | 不確実性・脅威・罰への防御 |
| 外向性 | 行動的探索と報酬への接近 |
| 経験への開放性 | 情報の認知的・知覚的探索 |
| 誠実性 | 長期目標の維持 |
| 協調性 | 他者との目標調整 |
\[ \boxed{ \text{目標} \rightarrow \text{方略の選択} \rightarrow \text{行動} \rightarrow \text{結果の解釈} \rightarrow \text{目標との比較} \circlearrowleft } \]
心理的エントロピーと同一ではないが、自由エネルギー原理は、CB5Tを数理的に記述する有力な候補 (Safron and DeYoung 2021; Safron and Sheikhbahaee 2023)
→変分法による近似ベイズ推論
\[ p(s|o) = \frac{p(o|s)p(s)}{p(o)} \]
\[ F = \int q(s)\ln \frac{q(s)}{p(s,o)}ds \]
\[ \begin{aligned} G(\pi) = - \mathbb{E}_{q(\widetilde{s},\widetilde{o}|\pi)}[D_{KL}[q(\widetilde{s}|\widetilde{o},\pi) \,\Vert\, q(\widetilde{s}|\pi)]] - \mathbb{E}_{q(\widetilde{o}|\pi)}[\ln p(\widetilde{o}|C)] \end{aligned} \]
ABCDを設定すれば能動的推論モデルが動き、行動の生成ができる。
| CB5Tでの整理 | |
|---|---|
| 気質的脆弱性 | 防御系の感度が高く脅威に過敏な特性 |
| 嫌悪的な解釈 | 脅威の過大視などの学習された解釈 |
| 回避・安全行動 | 学習された回避的方略や習慣 |
| パタメータ | 神経症傾向が高い場合 |
|---|---|
| A:尤度 | 悪い情報を信頼しやすい |
| B:状態遷移 | 脅威は持続し、接近しても変えにくい |
| C:選好 | 苦痛や失敗を強く避ける |
| D:初期信念 | 開始時に脅威を高く見積もる |
| E:方策事前分布 | 回避を選びやすい |
\[ \boxed{ \text{回避} \rightarrow \text{短期的に不安(減)} \rightarrow \text{修正情報(減)} \rightarrow \text{脅威信念の維持} } \]
環境が安全か脅威か推測させる状況を用意し、環境の制御可能性を低めると回避が増えるか?
その後に環境の制御可能性が回復しても回避したままか?
| 試行 | 外部環境 | 接近による脅威の解消 |
|---|---|---|
| 1–50 | 制御可能 | 80% |
| 51–100 | 制御不能 | 10% |
| 101–150 | 回復 | 再び80% |
高神経症傾向(赤)では、制御可能性が回復しても脅威信念が高く(左上)、早期から回避が多い(右上)。回避は接近による修正情報を遮断(右下)
回復期の回避や脅威信念は、脅威への嫌悪(C)や脅威が続く信念(B)だけでも増加するが、複数の要因を組み合わせたものは、回避と脅威信念が最も強く、修正情報がほぼ得られない
通常時は安全・接近と脅威・回避の2つの谷があるが(左)、防御負荷(神経症傾向、ストレスなど)が高まると脅威・回避の谷に吸い込まれる(右)